被保険者の収入によって生活している家族は「被扶養者」として健康保険の給付を受けることができます。健康保険の被扶養者になるには家族なら誰でも入れるというものではなく、法律などで決まっている一定の条件を満たすことが必要です。
健康保険の扶養家族は会社の扶養手当や税法上の扶養家族とは基準が全く異なります。
(1)被保険者と同居していても別居していてもよい人(下表の赤枠内の人) |
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(2)被保険者と同居していることが条件になる人 |
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被扶養者として認定を受けるためには、次のいずれの条件も満たす必要があります。健保組合は次の項目に沿って総合的かつ厳正に審査した上で被扶養者に該当するかどうかを判断します。
【生計維持関係の判断】 | |
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1 | 扶養している事実があること被保険者は対象者の生活費のほとんどを主として負担していることが必要です。 収入の基準を満たしていても、対象者が経済的に自立している場合は扶養に入れません。 |
2 | 被保険者に扶養能力があること被保険者には継続的にその家族を養う経済的扶養能力があることが必要です。 ほかの条件を満たしていても、扶養能力がないと判断される場合には扶養に入れられません。 |
【16歳以上60歳未満の家族の認定対象者について(学生を除く)】 | |
厚生労働省の通達によれば「年齢16歳以上60歳未満の者については、特に被扶養者に該当するするか否かの事実を確かめる必要がある」とあり、その取扱いについては厳格に取扱うことになっています。これは、16歳以上60歳未満の方は就労可能な年齢にあり、被保険者の経済的支援がなくても自立して生活できる年齢であるからです。健保ではこの通達に基づき通常就労して生計を立てることが出来る年齢を18歳以上、60歳未満の方(ただし配偶者、学生、および障害者を除く)としその方の認定については、特に厳格に審査を行っています。このため、被扶養者になるためには書類の提出により就労できない状態にあることを証明し、被保険者が生活費のほとんどを援助しなくてはならない状態にあることを申告することが必要です。 |
1 | 被保険者の収入によって、主として生計を維持していること |
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2 | 被保険者の収入の1/2未満であること |
3 | 別居の場合、被保険者からの仕送り額より収入が少ないこと(単身赴任、学生は除く) |
4 | 年間収入が認定基準額未満であること |
【条件】 | 【認定基準額】 |
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60歳未満の方 | 130万円未満 |
60歳以上の方又は障害年金受給の方 | 180万円未満 |
【年間収入】 | |
基本的な考え方として被扶養者の認定は事実発生日から、将来に向かって行うものであるため、当健保では原則として、認定時点に得ていた収入をベースに申請後1年間(将来)を認定対象者の年間収入とみなし判定します。この点が1月〜12月を年間収入としている税法上の取扱いと異なります。 |
※ | 収入とは、交通費などの課税対象とならない収入も含む給与・年金・事業収入などの全ての総収入をいいます。 |
※ | 一時的な収入は含みません。 |
自営業者(個人事業主)の方においては経済的に自立した存在であり、自己の責任のもとで収入を 得ることを選択した方ですので基本的にご自身で国民健康保険に加入して下さい。但し、被保険者が主たる生計維持者と判断できる場合は被保険者を認定対象とみなす場合があります。
給与所得者については「総収入」にて判断することとなっており必要経費は一切認められておりませんので公平性を図る為、健康保険法における自営業者の年収については『総収入から最低限の「直接的必要経費」を差し引いた額』で判断させていただきます。
確定申告における所得金額がそのまま認められるわけではなく税法上の必要経費とは異なります。
事業開始するにあたっての初期費用等、明らかに次年以降は発生しないと判断される項目については収入の算定にあたり直接的経費とは認めておりません。
継続的に発生すると見込まれる経費を原則算定しており、例えば収入は退職金や相続は一時所得と判断し収入に含めないと同様に、経費においても初年のみに発生するもので次年以降は発生しないと判断されるものについては一時的なものとみなして経費には含めません。
自営業者の認定の詳細は下記PDFをご確認ください。
1 | 優先される扶養義務者(兄弟姉妹・祖父母の場合は「両親」など)には扶養能力がないこと |
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2 | 被保険者がその家族を扶養せざるを得ない理由があること |
1 | 被扶養者の数にかかわらず、被保険者の年間収入(過去の収入、現時点での収入、将来の収入等の収入以下同じ)が多い方の被扶養者とする |
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2 | 夫婦の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、届出(申請)により、主たる生計維持者の(世帯の生活費を主に負担している人)の被扶養者とする |
3 | 主たる生計維持者が育児休業を取得した場合、当該休業期間中は被扶養者の地位の安定を図るため特例的に被扶養者を異動しないこととする 新たに誕生した子については上記1と2の内容にて認定手続きをする |
4 | 夫婦の年間収入の逆転に伴い、被扶養者を削除する場合は、年間収入が多くなった被保険者の方の健康保険組合等が認定することを確認してから削除することとする |
5 | 配偶者の健康保険組合等に被扶養者として認定されなかった場合は健康保険組合等から通知を貰い、通知を添えて届出(申請)を行う健康保険組合等に提出する |
注) | 収入には給与・賞与、自営業年間所得、各種年金、出産手当金、育児休業給付金、その他継続的な収入となります。 (退職金や相続の一時金は除きます) |
雇用保険の失業給付の目的は再就職までの生活の安定を図るという生活保障です。
再就職することが前提ですから失業の状態は一時的なものであり、失業給付の受給期間中は「失業給付によって生活が保障されている」ため「主として被保険者が生計を維持している」とはみなされません。よって受給期間中は被扶養者として認定されません。
ただし、待機期間や給付制限中、妊娠・出産・病気などで雇用保険の受給延長している間は失業給付を受給していないことから期間終了までの間のみ被扶養者の認定可能となります。また受給期間中の扶養認定は受給日額が下記に該当する場合のみ被扶養者の認定可能となります。
失業給付等の日額について | |
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60歳未満 | 日額 3,612円未満 |
60歳以上または障害年金受給者 | 日額 5,000円未満 |
毎月送金 |
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送金の証明 |
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上記全ての条件を満たす必要がありますが当健保が総合的に審査した上で被扶養者に該当するか判断させていただきます。
詳しくは被扶養者認定に必要な添付書類 C別居 をご参照ください。
国籍にかかわらず、外国籍の方の扶養認定基準は、続柄や収入等日本人の場合と基本的に同様です。
ただし、下記の2項目を満たす必要があります。
1 | 国内に居住し、住民登録をしていること |
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2 | 在留期間が1年以上であること(短期滞在ではないこと) |
※ | 在留資格が短期滞在の場合は生活基盤を移したものとは認められない一時的な状態であることから、被扶養者として認定いたしません。 |
「日本国内に住所を有する者」であること。
原則として住民票の有無(住民基本台帳に住民登録されているか)によって判断します。
※ | 例外的に認定する場合 (日本国内に住所がないとしても、日本国内に生活の基礎があると認められる者として国内居住要件の例外として取り扱いします。) |
国内居住要件の例外に該当するもの | 添付書類(確認方法) |
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①外国において留学をする学生 | ビザのコピー + 学生証又は在学証明証又は入学証明書等のコピー |
②日本からの海外赴任に同行する家族 | ビザのコピー + 海外赴任辞令のコピーまたは海外の公的機関が発行する移住証明書の写し |
③海外赴任中の身分関係の変更により新たな同行家族とみなすことができる方(海外赴任中に生まれた被保険者の子供、海外赴任中に結婚した被保険者の配偶者など)②と同等と認められるもの。 | 出生や婚姻等を証明する公的書類等の写し |
④観光・保養やボランティアなどの就労以外の目的で一時的に日本から海外に渡航している方(ワーキングホリデー、青年海外協力隊など) | ビザのコピー + ボランティア派遣期間の証明またはボランティアの参加同意書等のコピー |
⑤その他日本に生活の基礎があると認められる特別な事情があるとして健保が判断する方 | 厚生労働省保険局に相談しつつ個別に判断 |
※ | 確認書類が外国語で作成されたものである時はその書類の翻訳者の署名がされた日本語の翻訳文を添付して下さい。 |
日本国内に住所を有する者であっても認定対象から除外する者
国民健康保険と同様、下記の方は日本国内に住所を有しても被扶養者認定対象から除外します。
①「医療滞在ビザ」で来日した者、または日常の生活の世話をする方
②一年を超えない期間滞在で「観光・保養を目的とするロングステイビザ」で来日した方
(富裕層を対象とした最長1年のビザも含む)
「被扶養者(異動)届」と「被扶養者認定状況説明書」に必要な証明書類を添付し、事業所の人事・総務担当者に提出してください。
被扶養者(異動)届を提出しても健康保険組合で被扶養者と認定されるまでは、被扶養者資格がありません。被扶養者として認定されることにより認定日から被保険者本人同様に病気やケガの治療などの保険給付を受けることができるようになります。
(1)子供が生まれた場合 | 出生日 |
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(2)入社時に扶養家族がいる場合 | 【入社時に届出】被保険者の資格取得日と同日 【入社から1ヵ月を過ぎて届出】健保受理日 |
(3)新たに扶養し始めた場合 | 【発生日から1ヵ月以内に届出(健保受理)】事由発生日 【それ以降に提出】健保受理日 |
<注意>
扶養申請にあたり申請される方の収入や生活実態、被保険者の経済的扶養能力を総合的に審査の上、認定の可否を決定します。
書類提出=認定ではありませんのでご注意ください。
被保険者が扶養の実態がない家族を虚偽の申請により認定を受けたことが判明した場合は、被扶養者の資格は遡って取り消され、当該期間にわたって発生した医療費の全額およびその他給付金を過去に遡及し返還しなくてはなりません。
被扶養者(異動)届 | ||
被扶養者認定状況説明書 | ||
誓約書1(受給しない) 誓約書2(給付制限期間) 誓約書3(延長) |
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給与額証明書(扶養申請用) | ||
直接的必要経費申告書 | ||
別居誓約書 | ||
同居・別居申請書 |
被扶養者の確認調査は皆様からお預かりしている大切な保険料から支払われる保険給付の適正化を図るため、過去に被扶養者となった方がその後も被扶養者の認定基準を満たしているかどうかを年1回確認するための重要な調査です。
調査の結果、被扶養者の認定基準から外れていると判定した場合はカシオ健康保険組合が定めた日、または事実発生日をもって被扶養者を削除いたします。確認調査書類一式を提出期限までに提出しない場合はカシオ健康保険組合が定めた日をもって削除となります。
被扶養者が削除された場合、削除日以降に発生した医療費及びその他の給付金を過去に遡って返還していただくことになります。
扶養確認調書をはじめ、添付書類等ご提出していただくことになりお手を煩わせますがご理解・ご協力をお願い致します。
<参考>
被扶養者資格確認調査(以下「検認」)に関する施行規則など
被扶養者の条件を満たさなくなったときには、すみやかに扶養からはずす手続きをしなければなりません。
被扶養者(異動)届に添付書類と、削除される方の「保険証」または「資格確認書」を添えて提出してください。
申請は、事業主を経由して健保組合へ提出してください。
(※任意継続被保険者の方は、健保組合へ直接ご提出ください。)
「高齢受給者証」「限度額適用認定証」が交付されている方は添付してください。
状況 | 削除日 | 添付書類 |
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■就職したとき | 就職した日 (健康保険の資格取得日) |
就職先の資格情報のお知らせのコピー |
■離婚したとき | 離婚日 | 離婚日の確認できる書類 (離婚届受理証明書・戸籍謄本等) |
■死亡したとき | 死亡日の翌日 | 死亡診断書のコピー |
■結婚したとき | 被扶養者になった日 | 資格情報のお知らせのコピーまたは結婚受理書のコピー |
■同居が条件の人が別居したとき (生計維持関係がなくなった) |
別居を始めた日 | 住民票 |
■収入が基準以上になったとき | 収入が基準以上になった月の給料支払日 | 収入が確認できる書類 (給料明細のコピー) |
■収入の増加などで、 勤務先の健康保険に加入したとき |
健康保険の資格取得日 | 勤務先の資格情報のお知らせのコピー |
■他の家族に扶養されるとき | 事実発生日 | 該当日がわかる書類 (養子縁組・扶養変更等) |
■失業給付を受給開始のとき | 待機期間・給付制限満了日の翌日(受給開始日) | 雇用保険受給資格者証のコピー (待機期間・給付制限期間満了日の記載があるもの) |
■改定された年金収入が基準額を超過したとき | 年金が基準額以上になった月の振込日 | 年金振込通知書のコピー |
その他(認定基準を満たさなくなった) | 基準を満たさなくなった日 | 内容が確認できる書類 |
※ | 必要により、上記以外の書類を提出を求めることもあります。 |
※ | コピー以外原本提出 |
被扶養者の資格がすでになくなっているにもかかわらず、手続きを怠ってしまった場合は遡って資格が取り消され、健保が負担した医療費その他の給付金を全額返還していただくことになります。
<注意>
扶養をはずす手続きをして新たに別の健康保険等に加入された場合はその旨を医療機関の
窓口でお伝えください。
被扶養者(異動)届 |
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