被保険者や被扶養者の病気、ケガ、出産、死亡に対し、健保組合は現物給付として医師の診療を提供したり、定められた各種の給付金を現金で支給したりします。このように、診療を提供することや、給付金を支給することを「保険給付」といいます。
※ 通勤途上や仕事上の病気、ケガは労災保険扱いになります。
保険給付には、健康保険法で定められ、必ず給付しなければならない「法定給付」と、それぞれの組合が財政状態に応じて独自に定め、法定給付と一緒に支給する「付加給付」があります。
健保組合では、社会保険の公共的性格や健全な運営を阻害することのないよう、一定の条件のもとに給付の全部または一部について制限を行うことになっています。また、給付を行うことが事実上困難な場合や、他の医療保険制度から同様の給付が行われた場合の調整的な意味あいでの給付制限もあります。
具体的には、以下のようなときに保険給付の制限または調整が行われます。
1 | 故意に事故を起こしたとき | 保険給付は行われません。 |
---|---|---|
2 | けんかや、酔って事故を起こしたとき | 保険給付の全部または一部が制限されます。 |
3 | 正当な理由がないのに医師の指示に 従わなかったとき |
保険給付の一部が制限されます。 |
4 | 詐欺行為、その他不正に保険給付を受けたり、 受けようとしたとき |
保険給付の全部または一部が制限されます。 |
5 | スピード違反、酔っぱらい運転など、 重過失で事故を起こしたとき |
保険給付の全部または一部が制限されます。 |
6 | 健保組合が指示する診断や質問などを 拒んだとき |
保険給付の全部または一部が制限されます。 |
なお、罰則的なものとは別に、保険給付を行うことが事実上不可能であったり、他の法令が優先するなどの理由により給付が制限されることもあります。たとえば以下のような場合です。
●少年院に入院させられたり、監獄に拘禁されたりしたとき
●感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律など、他の法令により国または地方公共団体の負担で治療費が支給されるとき
健康保険組合から被保険者のみなさんにお渡しする給付金の金額や、その他の保険給付などについて、どうしても納得できない不審な点がある場合には、健康保険組合に申し出てください。
決定について不服がある場合は、通知を受け取った翌日から3か月以内に、口頭または文書をもって各地方厚生(支)局の社会保険審査官に対して審査の請求ができることになっています。
それでもなお不服のある場合は、厚生労働省に設けられている社会保険審査会に再審査の請求をすることができます。この裁決にも不服の場合には、裁判所へ訴え、最終的な決定を受けられるようになっています。
このように、みなさんの被保険者としての権利の保護のために、審査請求の方法が法律で決められています。
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